愛知県東部に位置する新城市(しんしろし)は、約8割が森林という豊かな自然と織田・徳川連合軍と武田軍が戦った長篠・設楽原の戦いがあった場所となり、長篠城址や火縄銃の演武が行われるお祭りなどがある歴史を感じられる地域です。
三河の嵐山と称される「桜淵公園」や1300年の歴史を持つ「湯谷温泉」など観光資源が豊富で、国の名勝および天然記念物に指定され、「日本の滝100選」にも選ばれた「阿寺の七滝(あてらのななたき)」があります。
巣山高原を源とする阿寺川に懸かる「阿寺の七滝」は、全長70mの距離を名前の通り7段になって流れる滝となり、上から①2m、②4m、③2m、④25m、⑤7m、⑥13m、⑦9mとなり、計62mの落差があります。
2500万年ほど前に堆積した岩石の礫から構成されている礫岩(れきがん)の断層崖と、上から2番目と5番目の滝壺は長い年月をかけて水が削り上げた巨大な円筒形の穴「甌穴(おうけつ)」があるのが特徴です。
滝の下の礫岩は「子抱石」とも呼ばれ、子宝を授かるという言い伝えがあり、陰陽師の安倍晴明が若年期に修行したという伝説が残る地でもあります。

訪問日:2026年3月
国道151号から県道442号に入って林道を走らせていくと滝の入口の看板が見えてきました。
新東名高速道路「新城IC」から車で約30分ほどの距離です。
広い駐車場で有料駐車場のようですが、付近に人の姿がなかったのでそのまま駐車して散策に向かいました。
記事を書いているときに知りましたが、管理人が不在の場合でも料金箱にセルフで現金を入れるシステムのようです。
駐車場に綺麗な公衆トイレが併設されていました。

木々に囲まれた遊歩道を歩いて行きます。
赤茶色をした丸い小石が堆積してできた円礫岩(えんれきがん)という古来の地層があり、遊歩道の脇から見ることができます。
少し歩いて行くと「河鹿渕(かじがぶち)」と記載された看板が出てきたので案内の方へ下っていきました。

50mほど下っていって河川に近寄っていきます。

礫岩断崖層に囲われた美しい滝壺の先には落差7mの乙女滝がありますが、落下している姿は岩に阻まれて見ることができません。

見える位置を探してみましたが、滝の姿を確認できませんでした。
滝は見れなくて残念ですが、礫岩断崖層の岩壁と美しい滝壺のコントラストが素敵な場所です。

遊歩道に戻って更に奥に歩いて行くと広場がありました。

更に進むと程なく、椅子などがある広い場所になって滝が見えてきました。

滝の古い石碑がいくつも置かれていて昔から信仰の滝であったことが分かります。

静かな自然の中をしっとりと流れる滝と滝壺の透き通る透明な水が輝く素敵な滝です。

水量は少なめなので迫力がある滝ではありませんが、古くからの地層の崖が趣を感じられます。

断層崖の礫岩は、砂岩、泥岩・花崗岩など中・古生代の岩石の礫から構成されているとのことで、地層の世界も奥深いですね。

滝の横に階段が設置されているのを見つけたので登っていきました。

階段の最終地点からは下から3段目の滝を間近で見ることができました。

深いブルーの滝壺は長い間水に転がされた岩が岩壁を削って作られた甌穴だと思われ、滝壺の奥深くまで削られているようです。

7段ある滝ですが、展望台からは下から5つ目の滝までしか見えず、5段目にある巨大な甌穴を見れる場所はないようで残念です。
礫岩の層が独特の岩肌を作り上げていて素敵でした。

七滝から遊歩道を戻って広場の分岐から猿滝を見に行きます。
こちらの道は整備された道ではなく、登山道のような細い道を歩いていくと、遠くに滝が見えてきました。

川に阻まれて近寄ることができないかと思いましたが、簡易な古びた橋が架けられていました。
壊れそうな雰囲気でしたが、対岸に渡れました。

黒くつるっとした岩壁からさらさらと水が流れています。
この滝を見にくる人はいないので、静かな自然に囲まれて滝を鑑賞できました。

水量はありませんが、岩壁と地層の雰囲気がよかったです。

猿滝から遊歩道に戻る途中に母子滝と思わる滝を見つけましたが、倒木が積み重なっていて滝の形状がわからなくなっていました。

毎年7月の最終日曜日に「阿寺の七滝まつり」が行われてニジマス釣りやつかみどり、物産展などを楽しむことができるとのことです。
美しい自然に囲まれた神聖な雰囲気を感じる滝でした。